概日リズムと照明
CIRCADIAN

光で医療・介護施設の健康をサポート

Circadian rhythm

体内リズムを整える照明

キービジュアル

医療施設・介護施設で毎日を過ごす方々が、少しでも安心して過ごせるように、体内の概日リズム(サーカディアンリズム)を整える照明を提案します。

サーカディアンリズムとは

サーカディアンリズム(概日リズム)とは、睡眠や体温、血圧、心拍、多くのホルモン分泌、免疫機能、代謝など、私たちの大部分の生体機能を司る約24時間周期のリズムのことです。
ヒトは約25時間ある生体リズムを太陽光など様々な刺激の中で24時間周期に修正しています。太陽光の影響を受けにくい空間では、一日の太陽の変化を模したサーカディアン照明などの照明によって生体リズムを整えることが大切です。*1

サーカディアンリズムとはのイメージ

朝の光が1日の質を変える(体内時計のメカニズム)

体内時計は「光」を合図に、約24時間周期で体のリズムを整える仕組みです。
光 → 脳 → ホルモンの連携で、睡眠・覚醒だけでなく、食欲・自律神経・免疫なども調整されています。 *2

朝の青白い光があたえる、脳への影響のイメージ

朝の青白い光があたえる、脳への影響

  • 眠気ホルモン(メラトニン)の分泌が止まる
  • 体温や血圧が上がる
  • 活動モードに切り替わる

夜、光が減ることであたえる、脳への影響のイメージ

夜、光が減ることであたえる、脳への影響

  • 眠気ホルモン(メラトニン)が分泌される
  • 休息・睡眠モードに切り替わる

サーカディアンリズムの乱れによる体の不調

何らかの原因で体内時計の機能が障害されたり、光による時刻調整がうまくできなかったりすると、睡眠リズムが大きく乱れ、睡眠障害になり、さまざまな疾患につながる可能性があります。*3 その他には、せん妄・夜間頻尿などの症状があらわれることがあります。

頭痛・倦怠感のアイコン

頭痛・倦怠感

食欲不振のアイコン

食欲不振

イライラのアイコン

イライラ

免疫低下のアイコン

免疫低下

ホルモン分泌異常のアイコン

ホルモン分泌異常

WELL Beingとサーカディアン照明

サーカディアン照明は、WELL認証に加点

WELL Beingを達成するために使われる指標、WELL認証(WELL Building Standard)は、建物や空間がそこで暮らす・働く人々の「健康」や「ウェルビーイング(心身が良好な状態)」にどれだけ配慮されているかを評価する、アメリカ発の国際的な認証制度です。環境だけでなく、空気、水、照明、こころなど10の項目に基づき、科学的根拠に基づいて医学的な視点から空間を評価します。(WELL Building Standardより)
弊社のサーカディアン照明には、このWELL認証の2つの項目で加点できる要素があります。
※WELL認証の評価基準・項目の詳細はこちら

L03 概日照明デザイン

住戸を除く全てのスペース

  1. 定期的に使用されるスペース内の全作業面において、作業面から約46㎝の高さで、以下の照度が少なくとも4時間(遅くとも正午までに開始)維持されることで達成される。
階層 閾値 閾値(外光有) ポイント
1 少なくとも150 EML または 少なくとも120 EML & L05 Part 1 または L06 Part 1 1
2 少なくとも275 EML または 少なくとも180 EML & L05 Part 1 または L06 Part 1 3

本照明を導入することで、275EMLが達成できる光を効果的に確保することが可能です。

引用元:L03 Circadian Lighting Design (サーカディアン照明設計)

※EML(Equivalent Melanopic Lux)とは:等価メラノピック照度のこと。光が人間の概日リズムを調節すると考えられている視細胞(ipRGCs)に、光源が与える影響を定量化した指標。垂直面照度(Lv)とメラノピック比(MR)と呼ばれる定数によって計算される。

L08 電灯品質 -Part1 色再現性の向上(1pt加点)

循環エリアを除く全てのスペース

居住空間内の全ての照明器具(装飾用器具、非常用照明及び標識用照明を除く)は、以下の演色性要件のいずれかを満たすこと。
調光可能な白色照明を使用する場合、要件は下限(最低2,700K)から上限(最高5,000K)まで1,000K間隔で要件を満たすこと。

  1. CRI (Ra) ≥ 90.
  2. CRI (Ra) ≥ 80 and R9 (R9) ≥ 50.
  3. IES TM-30 P1 (i.e., Rf ≥ 78, IES Rg ≥ 95, -1% ≤ IES Rcs,h1 ≤ 15%).10

本照明は2,700Kから5,000Kまで、CRI(Ra)90以上を達成しているため、1ptの加点が得られます。

引用元:L08 Electric Light Quality(電灯品質)

サーカディアンリズムを整えるのに必要な照明

従来の照明に不足している480nmの波長が
サーカディアンリズムを整えます

従来の屋内照明で不足していたのが、朝日に多く含まれる480nmの光です。
この光は「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促し、心と体を活動モードへと導きます。
午前中にセロトニンが十分に分泌されると、それが原料となり、14~16時間後に睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されやすくなることが分かっています。そのため、480nmの光は日中の活動と夜の良質な睡眠の両方を支える重要な光なのです。 *4

相対値比較(朝の光)のグラフ

サーカディアン照明と従来照明のLED分光スペクトルの比較(6,500K設定時)
サーカディアン照明では480nmの光を多く含む

夕方、入眠前には480nmの光を抑え
睡眠の妨げにならない照明環境に整えます

相対値比較(夕方の光)のグラフ

医療・介護施設に適した調色・調光ソリューション

24時間自動スケジュールで職員の手を煩わせない最適化

朝(7時~12時)のアイコン

メラノピック照度:≧275EMLの画像

朝(7時~12時)
空色に近い光(6,500K/300lx)
目覚めとサーカディアンリズムの調整を促します。
昼(12時~18時)のアイコン

メラノピック照度:< 275EMLの画像

昼(12時~18時)
白い光(4,000K/200lx/COI 1.98)
診察、治療、観察を⽬的として、患者さんの肌の色を正確に視観察できます。
※COI値は部屋の色の影響によって数値が変わります。
夕(18時~21時)のアイコン

メラノピック照度:< 100EMLの画像

夕(18時~21時)
暖かい光(2,700K/100lx)
メラノピック照度を下げることでメラトニン分泌を促し、気持ちを落ち着かせ、睡眠を促します。
夜(21時~)のアイコン

消灯の画像

夜(21時~)
消灯。しっかり寝る事で体内時計をリセットします。
自動消灯も可能※オプション

製品紹介:フラットベース照明 サーカディアン仕様

空色×暖色LEDで実現するサーカディアン照明

従来のフラットベース照明のLEDをサーカディン仕様に変更。空色のLEDと暖色のLEDを使うことでサーカディアン仕様を実現しました。

弊社照明の調色イメージ

弊社照明の調色イメージ

自動制御※オプション

専用の制御システムを用いることで、任意の時間や季節の日の出・日の入りに合わせ自動的にシーンが切り替わります。

自動制御のイメージ

高演色照明により、
COI(チアノーゼ観察指数)の規格に適合した光

チアノーゼは血中酸素飽和度の低下により皮膚・粘膜が青紫色に見える状態のことです。唇・口腔内・舌・爪周囲などに出現しやすいです。急激な変化は重症化の可能性があるため迅速な対応が求められます。乳幼児のチアノーゼは、特に注意が必要です。

COI(Cyanosis Observation Index)は、チアノーゼの視認性を評価する指標であり、100%酸素を含んだ血液と50%酸素を含んだの血液を、4,000K標準光と試験光源下で比較し、その色差(血液反射特性の差)を数値化したものです。COI値が低いほどチアノーゼの識別に適した光環境とされ、規格基準は3.3未満と定められており、弊社照明の4,000K設定時は本基準を満たしています。 *5

チアノーゼの識別に適した光環境

目に優しく、手元に影のでにくい面発光の照明

導光板の端部に配置したLEDモジュールの光を導光板内に入射させ内部で反射させることにより光を均一に面発光させた光源のことで、まぶしさが抑えられ目に優しい光源が実現できます。

目に優しく、手元に影のでにくい面発光の照明

薄型の器具デザインで大きな開口不要
簡易でコストを抑えた設置工事が可能です

大きな器具埋め込み開口が必要なく、天井材廃材を大量に発生させずに簡易に取り付け可能です。また器具が薄型の為、施工意匠もスマートなデザインを実現します。

※器具高さ20mmの薄型LED導光板照明です。

※器具高さ20mmの薄型LED導光板照明です。

事例

明石仁十病院様 亜急性期およびリハビリテーション病棟 17部屋、49床分(33台)

病院の改築で「サーカディアン照明」を導入。患者さんの転倒率が約半分に減少

導入前

  • 不均一な光環境
    従来の蛍光灯は長年の使用で明るさや色にばらつきが生じていました。また、南向きの病室は日差しで眩しすぎる一方、北向きの病室は常に薄暗く、雨の日はさらに暗くなるなど、部屋ごとの環境差が課題でした。
  • 手作業での負担
    照明の点灯・消灯は、病棟スタッフが手動で行う必要がありました。
  • 転倒事故の発生
    他の病院と同様、入院中の患者さんが転倒してしまう事故がたびたび発生し、骨折などの重大な怪我につながることもありました。その対応は、スタッフにとって多大な労力と精神的な負担となっていました。

導入後

  • 天候に左右されない快適な空間
    どの部屋でも常にムラのない安定した明るさを保てるようになり、「薄暗くて見えにくい」といった患者さんの不便が解消されました。
  • 体内時計をサポートする自動調光
    朝・昼・夕・夜の時間帯に合わせて、自動的に点灯/消灯や調光・調色が行われます。スタッフが操作しなくても、患者さんの生活リズムを整える良好な照明環境を提供できるようになりました。
  • 転倒リスクの大幅な減少
    改築前後の5ヶ月間における入院患者さんの記録を調査した結果、転倒の発生率が15%から7.4%へと約半減しました。年齢や内服薬など様々な条件を考慮した分析でも、サーカディアン照明導入後の転倒リスクは44%減少したことが確認されており、新しい光環境が患者さんの安全性向上に大きく貢献していると考えられます。

朝
昼
夕
夜

病院様インタビュー

光が変えた病院環境:転倒率半減のエビデンス
明石仁十病院が導入した「サーカディアン照明」の効果

明石仁十病院が病棟の改築に際し、山田医療照明株式会社のサーカディアン照明を導入しました。単なるLED化ではなく、患者の療養環境の質向上を目的としたこの試みは、期待以上の良い結果をもたらしました。
同院の沖波先生、西川先生に、導入のきっかけから、国際誌に掲載された研究成果に至るまでを伺いました。

病院様インタビューの様子

学会誌「Healthcare」に論文掲載

転倒率半減は論文としても同病院の沖波先生がまとめており、スイスの学会誌「Healthcare」に掲載されました。
論文:https://doi.org/10.3390/healthcare13141692

学会誌「Healthcare」に論文掲載

都内某病院様 NICU(29台)・GCU(20台)

サーカディアンシステムの自動制御で療養環境が向上

導入前

  • 照度が高く、赤ちゃんの刺激になるため、毛布で保育器を覆っていた。
  • 窓が無い(カーテンを閉め切っている)空間では、医療スタッフにとっては閉鎖的な空間で時間の流れを感じづらかった。
  • 眼底検査を行う際に、一部エリアだけ暗くするなどの対応が出来なかった。
  • 夜間の処置やミルク、おむつ替えの際に個々の保育器ごとに照らしたかった。

導入後

  • システム制御による低照度空間へ設定したことで、毛布を掛けずに運用できるようになった。
  • サーカディアンシステムを導入。時間によってシーンが切り替わることで、患者様の療養環境の向上だけでなく、スタッフの作業切り替えの目安にもなった。
  • 現場の運用に応じたエリア制御へ設定。眼底検査時に活用出来ている。
  • 個別制御にすることで、夜間作業でも赤ちゃんを起こさないよう配慮した運用が可能になった。

朝
昼
夕
※器具は異なります。
夜

参考文献:

  1. *1:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム Webサイト「概日リズム睡眠・覚醒障害」
    (https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-006)
  2. *2:厚生労働省「健康づくりのための睡眠に関する情報」(https://www.mhlw.go.jp/)
    国立精神・神経医療研究センター「体内時計(サーカディアンリズム)に関する解説」(https://www.ncnp.go.jp/)
    米国国立衛生研究所(NIH)「体内リズムと光の関係に関する情報」(https://www.nigms.nih.gov/)
    National Sleep Foundation「睡眠と体内リズムの基礎知識」(https://www.thensf.org/)
  3. *3:厚生労働科学研究成果データベース「24時間社会における睡眠不足・睡眠障害による事故および健康被害の実態と根拠に基づく予防法開発に関する研究
    (総括研究報告書)」(https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/7363)
  4. *4:Dynasolis™ White Paper(https://led-ld.nichia.co.jp/api/docs/Nichia_Dynasolis_White_Paper_J.pdf)
  5. *5:AS/NZS 1680.2.5:2018 Australian/New Zealand Standard™ Interior and workplace lighting Part 2.5: Hospital and medical tasksより要約